道路一般
Question 1
一般国道の路線は、道路法第五条によって指定され、全国には国道一号から国道五〇七号までがある。北海道には、現在国道五号(函館市― 札幌市間)から、国道四五三号(札幌市― 伊達市間)までの路線があるが、欠号があるので実際の路線数は次のうちどれか。
①二八本
②三八本
③四八本
④五八本
Answer
③四八本
一般国道にはそれぞれ路線番号が付けられ、全国には一号から五〇七号までがあり、この内四八路線が欠番となっているので、現在の一般国道の実本数は四五九の路線となっている。
この路線の番号は、昭和二十七年に「新道路法」が施行された時、元一級国道に付けられた路線番号と、翌二十八年に元二級国道に付けられた路線番号が基本となっていて、その後順次国道昇格等によって番号が付けられたものである。
元一級国道は東京都― 大阪市間の国道一号線から鹿児島市― 那覇市間の国道五八号までがあり、東京を中心とする国土の骨格を形づくるように二桁の番号が順次付けられた。この一級国道の第一指定は昭和二十七年の四十路線、同三十三年の三路線、同三十七年の十六路線が追加指定されて現在に至っている。
北海道には元一級国道が、五、十二、三十六、三十七、三十八、三十九、四十、四十四号の八路線がある。元二級国道は昭和二十八年に青森市― 秋田市間を結ぶ国道一〇一号から一四四本の路線が指定となる。そのうち北海道には函館市― 江差町間の二二七号から網走市― 根室市間の二四四号までそして昭和四十四年に釧路市― 標津町間の二七二号から、函館市― 青森市間の二八〇号まで、同四十九年の旭川市― 端野町間三三三号から、函館市― 下田市間三三八号、同五十六年に釧路市― 網走市間の三九一号から小樽市― 倶知安町間三九三号、平成四年の旭川市― 紋別町間四五〇号から札幌市― 伊達市間の四五三号となる。このように度々の国道昇格によって、現在北海道には四八路線となったのである。
Question 2
全国の国道には、車の通行が不可能であっても、一本の交通系統として重要と認められると、海上区間も国道として指定される。全国には現在二五路線が指定されているが、そのうちに北海道の国道にも、この海上を走る三個所の国道路線があるが、次のうち間違いはどれか。
①国道二七九号・函館市― 青森県野辺地町間
②国道二八〇号・青森市― 函館市間
③国道三三八号・函館― 青森県下田町間
④国道四五二号・函館市― 青森県五所川原市間
Answer
④ 国道四五二号・函館市― 青森県五所川原市間
一般国道の指定区間には、陸上ばかりでなく、海上区間もある。これは一般的に地上に造られた道路、あるいは橋梁などの構造物がなくても、フエリーボートなどで道路と道路とを結ぶ一本の交通系統としての機能があると判断され、国道の区間となっているものである。
車の通行が不可能であっても、一本の交通系統として重要であると認められれば、海上区間も国道として指定されるということなのである。一般の人には海上部に道路標識などがあるわけでないので、どこが国道であるかはわからない。
全国的にはこのような海上の国道として二五路線が指定されている。この区間は三四区間(重複区間は一個所として)があって、最大三個所もの区間のある路線もある。
代表的な路線としては、元一級国道であった一般国道五八号がある。この路線は鹿児島県鹿児島市から沖縄県那覇市までのものであって、鹿児島市から海上で種子島に渡り、島内の陸上部を走り、海上で奄美大島に上陸、陸上を走って再び海上で沖縄島に上陸するというものである。全延長八五七・六㎞の路線であるが、しかし陸上部は二四八・一㎞しかなく、六〇九・五㎞は海の上の区間というものである。北海道の国道二七九号は、北海道での陸上部の実延長が函館市内の一・八㎞であるが、二八〇号と三三八号はともに北海道での陸上部延長は〇mである。また国道四五二号という路線は夕張市― 旭川間であり間違いである。
Question 3
国道には必ず起終点がある。基本的には元一級国道では東京に近い方が起点であり、元二級国道では大都市または東側か北側が原則的に起点とされている。しかしそうではないものも数多くあり、次の路線のうち起終点の間違いはどれか。
①国道五号・函館― 札幌線
②国道三十七号・長万部― 室蘭線
③国道二三四号・苫小牧― 岩見沢線
④国道二四一号・弟子屈― 帯広線
Answer
③国道二三四号・苫小牧― 岩見沢線
これはあくまでも原則であって、元一級国道の三六号の起点は、東京に近い室蘭ではなく「札幌― 室蘭線」で、これは例外中の例外であって札幌市が起点である。
元二級国道の二二九号は大都市で北側の小樽が起点で江差町へ、二三〇号も大都市で北側の札幌市が起点で南の虻田方面に向かう。二三四号は北側の岩見沢市が起点で苫小牧市へ、二四一号では弟子屈― 帯広線となって、大都市側が起点でなく北側である。
国道四五二号もタ張― 旭川線であって、大都市側でも北側でもない。国道三三六号も浦河― 釧路線であり、大都市側でもなく北側でもない。
国道二七九号が函館― 野辺地(青森県)線であり、国道二八〇号が青森― 函館線となっている。しかし国道三三八号は函館― 下田町(青森県)線となっている。
全国的にみても、元一級国道では一号は東京― 大阪線であり、四号は東京― 青森線であり五八号も鹿児島― 那劃線で三六号の札幌― 千歳のようなものはない。あくまでも東京側が起点である。
起終点の決め方に一定のルールがあり、「東京および東京に近い方が起点なのである。大都市と小都市とを結ぶ国道では、大都市側を起点とし、同程度の規模の都市を結ぶ場合は、東側あるいは北側にある都市を起点とすることを原則としている。しかし、例外も数多くある。たとえば、日光市― 東京豊島区間の一二二号、日光市― 宇津宮市間の一一九号は、ともに日光市が起点になっている。このように例外路線は各地にある。
道内の国道でも、国道二四一号の弟子屈― 帯広線や、国道二七六号の江差― 苫小牧線なども、なんとなく気になる起― 終点の市町村がある。
Question 4
人口に過疎と過密があるように、道路にも過疎と過密地域がある。道路密度は都市部で高く、山岳地帯や農村、山村地域では低い。都道府県で道路延長が日本一長いのは面積がずば抜けて大きく、したがって北海道は道路延長も長い。次のうち間違いはどれか。
①第二位は茨城県
②第三位は愛知県
③第四位は長野県
④第五位は東京都
Answer
④第五位は東京都
北海道は、ほかの都道府県に比べて面積が大きく、約八・三万㎢で日本の総面積の二二%を占めている。したがって道路延長も約八六、八〇〇㎞となっている。しかし、面積が広いからといって、必ずしも道路延長が長いとは限らない。面積の順では岩手県が二位、福島県が三位であるが、道路延長ではそうではない。
北海道についで道路延長の長い県は、面積が〇・六万㎢、北海道の面積の一三分の一しかない茨城県で五四、九〇〇㎞となっている。茨城県はその大部分が関東平野にあり、東京のベットタウンとして都市化も著しいからである。そして三位が愛知県の四七、八〇〇㎞、四位が長野県の四六、六〇〇㎞、五位が四五、八〇〇㎞の埼玉県となっている。ちなみに東京都の道路延長は二三、三〇〇㎞である。また道路延長が一番短い県は沖縄集で七、五〇〇㎞、鳥取県が八、三〇〇㎞である。これらの県は面積も狭く、人口も少ない。また道路の面積で見ると、北海道はやはり一番で、六七四・一㎢であって、二位の愛知県が二九五・七㎢と大きく引き離している。道路の長さで二位の茨城県では二五三・七㎢で、三位の埼玉県、長野県と続く。また道路面積が一番狭い県は島取県の五一・〇㎢、山梨県、沖縄県となる。
参考までに道路の平均幅でみると、大阪府が七・七八mと一位であり、北海道が七・七六mと僅差で二位である。一番狭い県は徳島県の四・五九m、次いで茨城県の四・六二m、長野県の四・六四mと続く。こうしてみると、道路幅も地域によってかなりの差がある。
これらの道路延長には、林道や農道を含んでいない。すなわち「道路法による一般交通の用に供する道」のみの値である。
Question 5
北海道の一般国道四八路線の中で、実延長が二〇〇㎞を越える路線は、全部で現在八本あり、その中で元一級国道が四本となっている。それでは一番路線の実延長で長いのは(平成二十三年四月現在)次のうちどれか。
①国道二三八号・網走― 稚内線
②国道二七四号・札幌― 標茶線
③国道五号・函館― 札幌線
④国道三八号・滝川― 釧路線
Answer
①国道二三八号・網走― 稚内線
わが国の国道四五九路線の中で、一番距離が長いのは国道五八号(鹿児島市― 那覇市)の延長八五七・六㎞である。人呼んで「海上国道」という。したがって陸の上を走っているのは、種子島や奄美大島など二四八・一㎞だけで、六〇九・五㎞は海の上である。一般には、日本一長いといわれる国道四号(東京― 青森線)の七四三・六㎞よりも一〇〇㎞以上も長い。
北海道においては、国道二三八号(網走― 稚内線)が一番長く、三一九・六㎞である。この国道はオホーツク海の沿岸を走るもので、主なる経過地は、網走市を起点に常呂町・佐呂間町・湧別町・紋別市・興部町・雄武町・枝幸町・浜頓別町などを経て稚内市に至る路線である(注・旧市町村名で記入、以下同じ)。次に長いのは国道二七四号(札幌― 標茶線)で、延長が三一八・四㎞であり、主なる経過地は、札幌市を起点に北広島市・長沼町・由仁町・夕張市・日高町・清水町・足寄町・本別町・標茶町に至るものである。三位が国道三八号(滝川― 釧路線)の三〇八・一㎞で、滝川市を起点に、芦別市・富良野市・清水町・帯広市・白糠町・釧路市に至る。国道五号(函館― 札幌線)は、延長が三〇一・二㎞であり、主なる経過地は函館市を起点に森町・長万部町・倶知安町・余市町・小樽市となっている。
参考までに、北海道において実延長の一番短い国道はというと、共に『海上路線』ということもあり、国道二八〇号が国道二二八号と、また国道三三八号が国道二七九号と、他の路線と重複している関係から道内での実延長は〇mとなっている。また国道二七九号も海上路線ではあるが、わずかに函館市内の実延長が一・八㎞となっている。
Question 6
わが国は山国である。最近は土木技術の発達によってけわしい峠はトンネルで通過してしまう。さて国道で標高が一番高いところを通っているのは、国道二九二号の「渋峠」の標高二、一七二mとなっている。北海道の国道で標高が一番高い所を走っているのは、次のうちどこか。
①国道三九号「石北峠」
②国道二三〇号「中山峠」
③国道二七四号「日勝峠」
④国道二七三号「三国峠」
Answer
④国道二七三号「三国峠」
わが国の国道で標高が一番高いのは、国道二九二号の群馬県長野原と、新潟県の新井市を結ぶ延長一一四・八㎞の道路のうち、長野県の境にある「渋峠」であり、標高が二、一七二mとなっている。また、第二位は長野県茅野市と埼玉県入間市を結ぶ国道二九九号の蓼科高原の東にある「麦草峠」の二、一二〇mである。標高が二、〇〇〇mを超す国道は、この二路線だけではないかといわれている。
北海道の国道では、国道二七三号の帯広市と紋別市とを結ぶ路線にある上川町と上士幌町との境の「三国峠」が一番高い所を通っていて、標高が一、一三九mとなっている。この三国峠を貫く三国トンネルは、昭和四十七年十一月完成し、上川と十勝が最短距離で結ばれ、新しい観光コースともなっている。
そして二番目の標高は、旭川市と網走市とを結ぶ国道三九号の上川町と留辺蘂町との境にある「石北峠」であり、標高が一、〇五〇mである。そして国道二七四号の日高町と清水町との境にある「日謄峠」となる。標高が一、〇二二mのものである。
国道二三〇号の札幌市と喜茂別町との境にある著名な「中山峠」は、標高が八三六mであり、国道三八号の南富良野町と新得町との境にある「狩勝峠」は、標高が六四四mである。観光客に評判の高い国道三三四号の羅臼町と斜里町との境にある「知床峠」は、標高が七三八mである。なお道道の十勝管内の糠平湖と然別湖を結ぶ「幌鹿峠」は、標高が一、〇八一mで、北海道の道路の中でも第二位の高さとなっている。
ここ三国峠からの眺めは、果てしなく続く樹海が、旅人の心の胸深く染み込ませる何かがある。太古の樹林からは木々の臭いが漂い、旅情をかきたててくれる峠である。
Question 7
北海道の道路は、一般に他の都道府県に比べて幅員が広いといわれているが、道内の国道で一番幅員の広いのは、次のうちどこか。
①国道二四一号― 帯広市
②国道三六号― 札幌市
③国道二三〇号― 札幌市
④国道二七六号― 苫小牧市
Answer
①国道二四一号― 帯広市
国道において一番幅員の広い道路は、千葉市と横須賀市を結ぶ国道三五七号の、品川区八潮と大田区東海の間の湾岸道路で、道幅一〇〇mと日本一広い国道となっている。次に広い国道は大阪市と亀岡市を結ぶ国道四二三号の大阪市淀川区内にある道幅九五mのものである。
北海道の国道では十勝管内の国道二四一号の帯広市内のもので、延長一、一一〇m、幅貝五〇・〇mであり、続いて国道三六号札幌市内の南四条通の延長八六九m、幅員四五・〇mと、同じく国道二三〇号の札幌市内石山通りの延長七八五m、幅員四五・〇m、そして苫小牧市の国道二七六号も延長三、四〇九m、同じく幅員四五・〇mとなっている。
北海道において道路幅員が一番広い道路は、札幌市内の市道「大通り」である。幅員は一〇五・五mとなっていて、内中央分離帯が六五・五mとなっている。この中央分離帯は、「大通公園」として、市民に親しまれている。
参考までに、国道二三〇号札幌市の石山通りの北一条~南六条間は、全幅員が四五・〇mであり、幅員構成は、歩道七・二五+車道一二・五+中央分離帯五・五+車道一二・五+歩道七・二五mとなっている。
なお国道三六号の札幌市駅前通リは、歩道六・二五+車道一〇・二五+中央分離帯三・〇+車道一〇・二五+歩道六・二五mの全幅員三六・〇mで、薄野から豊平橋に至る区間では、歩道六・八+車道一四・五+中央分離帯二・四+車道一四・五+歩道六・八mの合計四五・〇mとなっている。
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